人気ブログランキング | 話題のタグを見る

太陽をかこう


しばらくぶりの更新になりました。太陽をかこう_c0051457_0494523.jpg

余りにも心の余裕のない毎日に更新の余力がなかった2005年の幕開け。
もうとにかく最悪の仕事の状況に追いつめられるばかりで。
今でも何ら状況は変わってなく、
むしろより最悪ぶりが具現化しているのですが、実は今日は9月以来のレースで、
ハーフマラソンを走ってきました。レポは後日。
ホントに走っている場合ではないのだけど、半ば開き直り。
でも思っていた以上にリセットできた感じなので、ようやくこれ書いてます。
また明日からはしばらく地獄の毎日だけどね。

というわけで、遅ればせな2005年の幕開けにこの本を。
イタリアのデザインの巨匠、ブルーノ・ムナーリの絵本。
翻訳は私の大好きな須賀敦子です。ずっと買おう買おうと思っていたのを
年末に愛姪の土産の絵本買いついでに購入。


  地球のこちらがわで、夕やけがきれいだなとおもっていると、
  むこうがわでは、ああ、すばらしい日の出だとおもって、
  だれかが空をみている。


タイトルの通り、太陽をかくための例として色々な太陽が紹介されます。
日本の日の丸もでてくる。太陽そのものはたったひとつなのにね。
そうして最後はこのようにして結ばれます。


  いろいろなもので、太陽がかけることもわかった。
  紙だって、いろいろある。くろい紙に、きいろい太陽。
  きいろい紙にくろい太陽だっていい。
  しろい太陽だったら、きみは、なにいろの紙にする?
  画家たちも、じつにいろいろな太陽をかいているけれど、
  ほんとうは、きみのすきなようにするのが、いい。
  ミカンのわぎりだって、いいじゃないか。


つらいことも、楽しいことも物事は全てとらえ方ひとつ。
2005年、わたしはどんな太陽を描くのだろう。



『太陽をかこう』ブルーノ・ムナーリ(1980)
須賀敦子訳(1984) 至光社



姉妹編に『木をかこう』というのもあります。これも須賀訳。
文体も、ひらがな漢字のつかいわけもおみごと。
本当にこの人の文章と翻訳は品格があって好きです。
ブルーノ・ムナーリのデザイン本は
嶋田洋書なんかにおいてあって、すてきですよ〜。

←menu