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味わう

金曜日の朝、ニュースを見ようとテレビをつけたら
いきなりモノクロになっていた。
後輩から譲り受けた89年製のテレビ、アナログ放送終了まで
お世話になるつもりだったのだけど、数か月前にはリモコンが突然使えなくなり、
もはやこれまでかも、、、まあ、このテレビが日韓ワールドカップとともに
我が家にやってくるまでは、1年くらいテレビのない生活をしていたのだけどね。

金曜の夜、NHK教育「芸術劇場」はなんとエグベルト・ジスモンチだった。味わう_c0051457_2292335.jpg
東京フィルとの共演。テレビをつけたらやっぱりモノクロで、モノクロのまま
ジスモンチを聴く。不思議なリズムのクラシック。モノクロの画面が結構合う。

土曜日は柴田元幸の朗読会に青山へ。
今年に入ってから、先輩に誘ってもらい在日外国人が催している
ポエトリーリーディングに何回か行って、もちろん英語なので
意味はわからないのだけど、朗読会というliveな文化に興味が湧いて
機会があれば日本語で聞いてみたいと思っていたのだ。

50人ほどでいっぱいになったカフェで朗読が始まる。味わう_c0051457_2210764.jpg
氏が翻訳したジャック・ロンドンの短編『火を熾す』。流れていく言葉を
瞬時に飲み込んで、情景を頭に描くのはなかなか集中力を必要とする。
が、ストーリーとしてはアラスカの荒野を行く男が凍傷にかかって
助かるために火を熾そうとするが、なかなかうまくいかず
そうしているうちにどんどん体が動かなくなり、はたして、、、という
ものだったのでいつの間にか引き込まれてしまった。

解説や質疑応答なども交えた1時間半。
なかで、「映画は2時間の映画だったら、誰にとっても2時間だけれど、
本というのは人によって読み方をカスタマイズできるメディア。ゆっくり読みたい人はゆっくりと
読めるし、どこかで区切ったり、早く読んだりもできる。でも朗読というのは
他人のペースで味わうわけで、たまにはそういう楽しみ方もいいでしょう。」という言葉があった。

日曜日の今日はyoshiko嬢に教えてもらった早稲田の古本市へ。
読書仲間の先輩ご夫婦と穴八幡の境内にしつらえた古本市を巡る。
わたしは結局1冊しか買わなかったけど、そのあと神楽坂のブックカフェ「キイトス」に
移動して、またしても本のあれやこれやをおしゃべり。

読書会をやっていることもあって、読書に割く時間を増やしているのだけど
本というのは一気に読みすぎても、細切れに読みすぎてもだめな気がする。
休みの日に300ページ一気読破、も、少しでも進みたいからバスの待ち時間にちょこっと、
何かの合間にちょこっと、とかもあまりよろしくない。
ある程度読んで、一息。何か別のことをする。まあ、ウィークディは
仕事ですよね。休日だったら走るのがわたしにはベスト。
読んだ内容を自分の中でこなれさせて、人と話してみたりして、そしてまた続きを読む。
その按配がうまくできた1冊は、うまく味わえた感じがします。

ああ、これって何かと似てるな。

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